運動大好きオヤジへの進化
きっかけなんて、そんなものかもしれない。仕事で訪問した某病院の院長が、ポンと私の肩を叩き、「一緒にホノルルマラソンでも走らないか?」と言ってきた。当時、80㎏近い体重があった私は、「このおっさんは、明らかにデブの俺をからかっている」と思い、「いいですね。機会があれば一緒にやりましょう」と思いっきりの社交辞令の笑顔を交えて回答した。ところが、翌週、再びその病院を訪れると、院長が私の所へ来て一言。「お前の分も申し込んでおいたぞ」。はぁ?。まさかと思ったけど、院長は、ホノルルマラソンの参加ツアーに私の分も申し込んでしまったのである。
42.195㎞。想像を絶する距離、全く未知の世界である。どうしようかと思い悩んでいたが、たまたま会社の前にフィットネスクラブがあり、すぐにそこの会員になった。仕事の合間を縫って、週に3回くらいは通っていたと思う。まずは5㎞を走れる身体を作ろうと思い、練習開始。ドタバタドタバタ・・・。よほどひどい走り方をしていたのであろう。インストラクターの後藤ちゃん(日本縦断マラソンに出場し、3日でリタイアした方)がすぐに来てくれて、走り方を指導してくれた。
また、私はマシンで筋トレをしていたのだが、15㎏を5回上げ下げするのがやっとだった。そんな私を見て、後藤ちゃんは「GoMaさん。ホノルルマラソンを走るのもいいけど、ベンチプレスで100㎏も挙げちゃいましょうよ」と言ってきた。「はぁ?100㎏なんて、挙げられるわけがないじゃん」と言ったけど、すぐにベンチプレスのところに連れて行かれ、ベンチプレスの手ほどきを受けた。
まあ、その後は、どんどん速く走れるようになるし、どんどん重いバーベルを挙げられるようになるし、とにかくランニングと筋トレが楽しくて楽しくて仕方がなかった。徐々にフィットネスクラブで仲間が増え、気がつけばトレーニングの後に毎晩のように飲みに行くようになっていた。皆で虎のパンツをはいてエアロビクスに参加したり、カラオケに行って朝まで歌いまくったり、横田基地のマラソン大会に参加したり・・・・かなり楽しかった。
それから半年後にホノルルマラソンに参加し、4時間40分くらいで無事完走。ベンチプレスも、2年くらいで100㎏近くまで挙げられるようになった。ただ、翌年もホノルルマラソンに参加したが、目標とする3時間台での完走、ベンチプレスの100㎏超えは達成できなかった。いつも目標に届かないのは、自分の情けないところである。
自分は、子供の頃から決して運動神経がいいほうではなかったし、運動のセンスも無かった。でも、フィットネスクラブ仲間の宇野さんが次のように語ってくれた。
「運動神経の善し悪しなんて、ほとんど関係ないんですよ。とにかく、筋力を高めればいいんです。胸筋がつくと、ピクピクと胸筋を動かせるようになるでしょ。あれは、胸筋がついたことで、胸筋を支配できるようになったからなんです。だから、体中の筋力を高めれば、体中の筋肉を支配できるようになるんです。そうすることで、格段に運動能力が向上しますよ。」
なるほど。イチローをみると、運動神経の善し悪しは絶対にあると思うが、私はこの言葉にかなり勇気づけられた。今、週に1回フィットネスクラブに通い、週に1回テニススクールに通い、週に1回仲間とテニスをし、月に2回くらいフットサルをやっている。先週は、フットサルを2時間近くやってからテニスを4時間やるという暴挙も達成した(ヘトヘトになったが・・・)。とにかく、今は身体を動かすことが楽しくて楽しくて仕方がない。そして、今ならどんなスポーツでもそれなりに無難にこなせる自信がある。学生時代の自分しか知らない友人が、今の自分をみるとビックリするに違いない。
ホノルルマラソンに誘ってくれた院長には、今でも感謝の気持ちで一杯である。



