アジアレベルの戦い方で立派な勝利~デンマーク戦~
ベスト16入りすれば、一生遊んで暮らせるだけの家と金品を与えられたようだ。北朝鮮の監督は、ポルトガルに真っ向勝負を挑んで木っ端微塵に砕け散った。7対0という屈辱的なスコアでの敗戦。“選手全員が公開処刑”とか“監督は強制労働の罰”であるとか、あらぬ噂が流れているが、北朝鮮の場合、将軍様のご乱心で何でも有りのお国柄だから、冗談では済まない部分もある。現に、フセインが大統領であった頃のイラクは、無様な負け方をした選手に鞭打ちの刑があったようだ。
確かに前半の北朝鮮は強かった。日本は勿論のこと、韓国よりも強いのではないだろうかと思ったほどである。惜しみのないハードワークでポルトガルのゴールに迫り、何度か惜しいシーンを作り出していた。“これはひょっとすれば、ひょうっとするぞ~”などと思って観ていたら、前半のハードワークがたたったのか、後半の10分過ぎから北朝鮮選手の運動量がガクッと落ちた。はぁ?確かにあれだけのハードワークで90分間戦うことは無理かと思ったが、ワールドカップという大舞台であり、ワールドカップに出場してくるチームなのだから当然それも計算ずくかと思っていたが、何も考えずにがむしゃらにボールを追いかけ回していただけのようだ。将軍様にいいところを見せたかったのかも知れないが、戦術としてはあまりにも幼稚である。北朝鮮選手の運動量が落ちれば、当然のことながらポルトガルの敵ではない。その後はポルトガルのゴールショーが展開された。
まあ、これが現在のアジアとヨーロッパの差である。ヨーロッパのワールドカップ常連国と戦おうと思えば、アジアレベルでは堅守速攻を基本とした戦い方をし、更に頭脳的な戦略を加え、運も味方に付けなければ勝利は非常に困難である。オランダ戦後、サッカージャーナリストの中に、日本が真っ向勝負を挑まないことに批判的な意見を述べている方がいた。「こんな戦い方では、日本サッカーに未来はない」みたいに書いている。しかし、真っ向勝負を挑んで砕け散ることで、未来が拡がるとも思えない。4年間で積み上げてきたことをいかにワールドカップの舞台で活かしていくかが監督の手腕である。積み上げたものが世界レベルに届かなかったのであれば、それなりの戦い方をするしかない。
まあ、ジャーナリストは何ら責任が無いため、お気楽モードで好き勝手なことを書いていればいいわけであるが、デンマーク戦での日本の戦い方は、そんな無責任なジャーナリストも唸らせるような戦い方をしたのではないだろうか。岡田監督は、試合の入りを4-2-3-1というシステムを採用。せっかく4-3-3のシステムが機能していたのに、岡田監督は守りに入る戦い方をしたくなかったのか、少し色気を出してしまった。デンマークに見事にそこをつかれ、危うく失点しそうなシーンを何度か迎えた。ここで失点していれば、全く違った展開になっていた可能性はあるが、何とか無失点でピンチをしのぎ、岡田監督は慌てて4-3-3のシステムに戻した。迅速な方針変更は「さすがは岡田監督」と褒めるべきであろう。北朝鮮の監督よりは利口だったわけだ。その後は日本の守備が落ち着き、そして、2本のセットプレイが決まる。勿論、本田と遠藤のセットプレイは見事であったが、セットプレイは実力に運が伴わなければ入らない。日本は、明らかにデンマークよりも運を味方に付けていた。
後半に入って、焦りからかデンマークの攻めは単調になった。パワープレイで前線にどんどんボールを放り込んできたが、中澤とトゥーリオがヘッドでどんどんボールをはじき返した。最後まで集中力が途切れることはなく、本当に見事な守りであった。不可解な判定によるPKで失点したものの、カウンターから1点を加え、勝負は決した。
0対0、または1対1の引き分けで日本が抜けると予想していたが、終わってみれば3対1の完勝。お見事である。守備重視であるが、決してどん引きした訳ではない。何度か華麗と思われる攻撃を展開していたし、3点目はカウンター攻撃ではあったが、完全に相手DFを崩しての得点である。選手の気力、実力、監督の戦術、采配、そして運の全てがうまく融合した結果と言えると思う。こうなったら、是非とも決勝トーナメントで韓国を破ってリベンジを果たそうではないか。えっ?韓国とは決勝戦まで当たらないのか・・・・・。
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