気持ちいいです~ナビスコカップ優勝~
これほど気持ちが良い勝利は、そうあるものではない。下馬評では、明らかに川崎有利。それもそのはず、川崎には怪我人らしい怪我人は一人もいないし、Jリーグでも首位。禁じ手?の外国人3トップ。リーグ戦で広島から7得点をあげ、全く隙はみられない。一方の東京は、カボレが退団、茂庭が怪我、ナオが怪我、長友が怪我。梶山とスズタツも万全ではない。正に満身創痍の状況。そして、今季の川崎戦は、2試合とも逆転負け。そんな逆境を覆しての完勝なのだから、気持ちよすぎて、気持ちよすぎて・・・この気持ちよさを文章化することは不可能である。
ただ、勝ったから言うわけではないが、戦前から全く負ける気がしなかった。科学的な根拠はゼロ。全て非科学的な根拠によるものである。まずは、5年振りの決勝の舞台であったこと。5年周期という言葉があるでしょ。5年振りと言うことで、「勝つ」と思えた。それから、羽生がナビスコ優勝に縁があること。なんせ、千葉時代に2連覇しているわけで、羽生自身も負ける気がしなかったのではないだろうか。そして、圧倒的に下馬評が川崎有利であったこと。これは5年前と全く同じ状況。東京がホームであったこと。これも5年前と同じ。天気が良かったこと。これも5年前と同じ。知人のご好意で、良い席に座れたこと。これも5年前と同じ。川崎がナビスコ決勝前に7得点の大勝をしたこと。これは2年前に川崎が準優勝で終わったときと同じ。
これら一連の非科学的なジンクスから、全く負ける気がしなかった。そして、優勝報告会で、JFK監督から浅利の涙の裏話を聞かされる。なるほど。これは負けるわけがない。決勝の舞台になると、当然のごとくいつも以上に選手は緊張するだろうし、ミスを恐れてプレイが小さくなる。どうしてもセイフティなプレイを選択するようになる。100%の力を発揮することは、非常に難しいであろう。川崎は、今や間違いなくJリーグで最強のチームであり、100%の力を発揮すれば、そしていつも通りのサッカーを展開すれば、東京に負けるわけがないと思っていたはずである。一方の東京は違う。100%の力を発揮しても、川崎には勝てないと思っていたと思われる。個々の選手が、そしてチームが120%の力を発揮するしかないのだ。
しかし、120%の力というのは、特殊な状況下におかれなければ発揮できない。いくら練習を積んでも発揮できないのだ。実力以上の力とは、メンタルによって発揮されるものだからである。東京は、満身創痍の状況にあり、チームが一つになっていた。カボレのため、茂庭のため、ナオのため・・・。決勝の舞台に立てたはずなのに、無念にも立てなかった選手のために・・・。怪我をした後のナオの振る舞いは、東京の選手達に多くの感動を与えていたに違いない。そして、浅利の話は本当に涙なしでは語れない。5年前の決勝を怪我で出場できなかった浅利は、今回のナビスコ決勝に全てを懸けて練習に取り組んでいた。仕上がりも最高な状況にあったようだ。今季で引退するわけだし、メンバーに入れてやれよと思うが、JFK監督は勝負に徹して結論を出した。浅利はベンチ入りできなかった。メンバー発表の後、ロッカールームで泣き崩れたらしい。そんな浅利の姿を見ている他の選手達・・・。あまりにもドラマティック。あまりにも感動的。全ての選手が、そしてチームが、120%の力を発揮する環境が整っていたわけである。JFK監督が優勝報告会で語っていた。「5年前はジャーンの涙で優勝し、今回はサリの涙で優勝した」。全くその通りであると私は思う。
ここで、東京が強くなったと思ってはいけない。今回は、120%の力を出せたから勝てたのだ。Jリーグの試合で、再度120%の力を出せと言っても、無理な話である。ただ、ムービングフットボールが板についてきたのは間違いないし、涼しくなったこともあり、今の東京の選手達の運動量は半端ではない。そして、カボレが退団してから、JFK監督の采配が冴え渡っている。本当に頭を使ってメンバーを組んでいるという状況が感じられる。3日後には浦和戦が待っている。5年前のナビスコ優勝以来、一度も勝てていない。今回のナビスコ優勝で、浦和の呪いが解けたと思われる。この5年間、屈辱を味わいっぱなしだったわけで、単に勝つだけでは気が済まない。大勝。そう。大勝しかない。この5年間の屈辱を、今一度120%の力に結びつけようではないか。
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