チーム全体で戦うという考え方
夏場の試合も、いよいよ29日の大分戦を残すのみになったが、今年も「試練の夏」であった。結局、「FC東京は、夏に弱い」「ムービングフットボールは夏に弱い」というジンクスを、今年も打ち破ることができなかった。夏場の戦い方というものを、反省も含めて改めて考え直す必要があると思う。
私にとって、どうしても理解できないのが、先発を固定するという考え方である。サッカーは、非常にデリケートなスポーツであり、一人の選手が替わっただけで、リズムや流れが大きく変わるということがある。ナオが抜けて得点の臭いが全くしなくなったことは、その典型的な事例であろう。監督が「リズムを変えたくない」「流れを変えたくない」と思うのは当然の心理と言える。しかし、毎日、顔をつき合わせて練習しているわけであり、1~2人くらい先発メンバーが替わっても、流れやリズムが変わらないような戦い方ができないものだろうか。FC東京という一つのチームであり、時々一緒に練習するだけの寄せ集め集団である代表チームとは違うわけで、少なくともレギュラー同士くらいは、気心が知れていると思いたい。平山がいるときの戦い方、赤嶺がいるときの戦い方、茂庭が入ったときの戦い方など、あうんの呼吸でそれにスムーズにシフトできるのがチームだと思う。個人技に頼るのではなく、チーム全体に戦術を浸透させていれば、多少メンバーが替わっても、大きく崩れることはないはずである。
確かに、欧州リーグのチームをみると、先発を固定するチームが少なくないが、欧州は涼しい時にリーグを開催しており、Jリーグとは状況が全く異なる。Jリーグは、夏場の糞暑い時期に試合が組まれているし、それも中2~3日の3連戦が当たり前のように組まれている。また、Jリーグでは、走って走って走りまくるサッカーが大流行である。これでは、選手の疲労がたまり、大きくパフォーマンスが落ちるのは避けられない。例えば、夏場の3連戦の3戦目に、3戦連続スタメンで疲労したカボレを先発にするのと、フレッシュな赤嶺を先発させるのとでどちらがいいのか。カボレを赤嶺に代えることで、連勝の流れを止めることが怖いみたいな考えがあるのかもしれないが、FC東京というチームなのだから、カボレが赤嶺に替わってもチーム力がさほど変わらないようでないとおかしいと思う。また、赤嶺にしてみれば、あれだけ疲労しているカボレの方が、フレッシュな自分よりも上なのか?と疑問に思うであろうし、モチベーションも低下するというものであろう。要は、野球では当たり前になっているローテーションを、サッカーでも採り入れるべきということである。
JFK監督は、先発を固定したがる監督である。私が「頑固じじい」と呼んでいるのはそのためだが、FWは平山とカボレ、MFは石川、羽生、梶山、米本、CBは今野とブルーノ、SBは徳永と長友、GKは権田で固定している。交代は、スズタツ、草民、赤嶺でほぼ固定されている。
石川が好調であったこともあり、このメンバーで7月中旬まで白星を重ねたが、石川が怪我をして離脱すると、チームの好調さは音を立てるように崩れた。普段から、時々石川を休ませるような戦い方ができていれば、怪我を回避できたかもしれないし、ここまでチーム状態が崩れることも無かったのではなだろうか。先発メンバーを固定していたことによる弊害が出たものだと思う。カボレや平山もほとんどシュートを決められないでいるが、疲労の蓄積が影響している可能性は否定できない。
また、こういったJFK監督の頑固な選手起用により、金沢が出番を求めて磐田への移籍を決めた。このような状態が更に続けば、浅利、藤山のベテラン2人は揃って引退になるかもしれない。また、佐原、近藤、茂庭、そして赤嶺といった中堅選手も、出番を求めて移籍を希望しても不思議ではない。このままであれば、塩田だって移籍を考えるであろう。
FC東京という一つのチームなのだから、もう少し、色々な選手をやり繰りした戦い方ができるはずである。勿論、コアとなる先発メンバーは、固めるべきだと思う。しかし、中2~3日の3連戦の場合、ある程度選手を入れ替えて、疲労を考慮した選手起用をしてもいいと思う。というか、それができなければ当然ACLを戦い抜くことはできない。
ちょっと話がずれるが、柏の李が広島に完全移籍するというのには驚いた。ちょっと前まで柏の顔と言ってもいいくらいの選手だったのに・・・。ここのところ、確かに干されぎみだったが、これほど早く移籍を決めるとは驚きである。JFK監督の選手起用をみていると、とてもこれが対岸の火事とは思えない。
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