人間失格
太宰治の人間失格を読んだ。1回読んで、全く意味が分からなかったので、再度読んでみたが、結局、意味が分からなかった。というか、私には全く理解できない世界であった。凡人には理解不能である。
顔は美男子、スタイルもよく、頭もいい。そして、女性にモテる。人間失格の主人公である大庭葉蔵は、多くの男性が羨む要素を沢山持ち合わせているのに、酒と女に溺れ、薬をやり、幸せを感じないまま最後には廃人同然になってしまう。この主人公は太宰治自身がモデルと言われているが、この作品を発表した後、太宰治は自殺している。
一見、何もかも恵まれているようであるが、結局人生に満足できないまま、破滅の道を歩んでしまう。「太宰治とその辺の芸能人を一緒にするな!」とお叱りを受けるかもしれないが、覚醒剤で捕まった押尾学や酒井法子にも全く同じ臭いを感じる。顔が良くても、スタイルが良くても、それだけでは幸せになれない。美人の女性と結婚しようが(矢田亜希子ですぞ!!!)、可愛い子どもが授かろうが幸せになれない。幸せになれないまま、彼らは覚醒剤に走ってしまったわけで、間違いなく彼らは人間失格である。結局、人間の欲望というものは際限がないものであり、人間は、どんなに恵まれた境遇にあっても、満足できない生き物のようだ。普通の体型で普通の顔で、普通にお金があって、ある程度の努力をしなければのし上がれないくらいが丁度いいのかもしれない。自分は普通の体型で普通の顔であり、普通に貧乏でつくづく良かったと思う。
そんなことをごちゃごちゃと考えていたら、前の会社の同期の友人を思い出した。体型はデブ。20歳代にして禿、ド近眼、そして聴力が弱く、補聴器を付けていた。唇は分厚い。声は甲高い。膝にはすぐに水がたまる。身体が弱く、月に1回は熱を出して会社を休んでいた。当然、仕事ができる方ではなかった。押尾学とは対極にあるような人間。ただ、頭脳は明晰で、早稲田大学の政経学部を卒業していた。麻雀は、めちゃくちゃ強かった。彼は、新入社員として挨拶するとき、自己紹介で「私は女性と付き合ったこともありませんし、手をつないだこともありません。はっきり言って、女性のことが大嫌いです。」と述べ、「最後の一言は余計だろ」と思ったら、案の定同期の女性から大顰蹙を買い、嫌われ者になっていた。「彼の前世は、一体、どんだけ悪いことをしたんだろうか?」と思ったが、麻薬に逃げるわけでもなく、犯罪を犯すわけでもなく、ひたすら真面目に仕事をこなしていた彼は、少なくとも人間失格ではなかったと言える。3ヵ月ほど静岡県の寮で一緒に生活したが、彼の部屋には「デラべっぴん」というエロ雑誌が散乱しており、実は女嫌いではないことが明らかになったことを申し添えておく。
そんな彼も、会社を辞め、その後、パートで食いつないでいたようだが、この不景気で仕事がすっかりなくなり、生活費にも困っている状況であると耳にした。光熱費も支払えない状況のようだ。前の会社で同期であったし、一応、寮で一緒に生活した同僚の一人だったわけで、何とかしてあげたいとも思うが、お金を貸すわけにもいかないし(絶対に返ってこない。その前に、自分も多額の住宅ローンを抱えている。)、カンパを集めるわけにもいかないし(実際、友人が少なかったため、誰も協力してくれない)、会社を紹介するわけにもいかないし、自分の会社で雇ってあげられるわけでもないし・・・・・結局、何もしてあげられない。
「何もしてあげられない自分は、人間失格か~」と思い悩んでしまうが、実際、20年以上も彼と会っていないわけで、どこをどう考えても何もしてあげられないわけであり、仕方がないと考えるしかない。彼が変な考えを起こさないことを祈るばかりだが、もともと恵まれた環境で育ってどん底に落ちた人間より、彼のように長く不遇に喘ぎながら生きてきた人間の方がずっと強いのかもしれない。今は、それを信じて、そっと見守るしかない。
さて、人間失格になったノリピーであるが、あの可愛らしさはかなり私のタイプであっただけに残念でならない。小さな子どもがいることだし、ここは十分反省し、一から人生をやり直すつもりで頑張って欲しいものである。
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