乗せると手がつけられない東京を観たい
今季、これまで東京が勝利している相手を見ると、山形、磐田、大分、大宮、横浜、柏。一方、負けている相手を見ると、新潟、浦和、鹿島、千葉、ガンバ、広島、川崎、そして京都と引き分けている。そうなのだ。千葉は別にして、順位が下位のチームに勝ち、上位のチームに負けている。大物食いが一度もないのである。
かつての東京は、「弱いところに負けるけど、なぜか強いところに勝つ」というイメージがあった。その理由の一つとして、カウンター主体のサッカーだったことが挙げられると思われる。東京は、カウンターサッカーがはまった時、100%以上の力を発揮していた。「東京は、乗せると手がつけられない」と言われていたのも、この辺りから来ていたのだと思う。ポゼッション主体のサッカーになり、確かに安定した力を発揮できるようになったのかもしれないが、弱いところには勝てるけど、強いところには勝てないという妥当な結果しか得られなくなった。少なくとも、今季の戦い方を観て、倉又さんが監督をやっていた時のような手がつけられない東京にお目にかかっていない。この状況をつまらないと感じるのは私だけであろうか。
JFK監督へのインタビューで、JFK監督は、「相手がどこであれ、常に自分たちのサッカーを貫くだけです」と言っていた。確かに格好いいセリフだし、ブレのない戦術は重要であるが、本当にそれでいいのだろうか。勿論、その都度相手を研究して戦い方を考えていると思うが、例えば鹿島と試合するとして、自分たちのサッカーを貫いたところで勝てる可能性は非常に低い。現状では、悔しいけれども個々の選手の実力や組織力は鹿島の方が上だからである。実力差のある相手と戦う時、真っ向勝負を挑んでも勝ち目はなく、時にはいなすことも必要だし、ずっと堪え忍んで一発勝負にかけるという戦い方も必要である。相手によっては、ポゼッションを捨て、カウンター主体のサッカーや放り込みサッカーを展開するという選択肢があってもいいのではないだろうか。
また、これからは暑さとの戦いにもなる。昨シーズン、夏場に東京が勝てなくなったが、ポゼッション主体のサッカーは、常に豊富な運動量が求められる。猛暑の中で豊富な運動量を求めるのは無理があるし、気温や天候に応じて省エネサッカーを展開することも必要と思う。
そして、強い相手から先取点を奪えた場合、虎の子の1点を守りきると言うサッカーができなければ、優勝どころか、上位に行くことも難しい。「東京は、守って守れるような器用なチームではない」と言う人がいるし、JFK監督の選手交代の采配をみてもわかるように、常に攻撃を意識した交代カードを切っている。極めて頑固な采配である。勿論、消極的なカードを切って欲しくないし、常に攻撃的なサッカーを展開してもらえるのは有り難いことだが、それだけでは、いつまでたっても中位から脱却できないと思う。要は、「東京は、勝ち方を知っている」というチームになって欲しいのだ。
ポゼッションを主体とした戦い方を選択するのは間違っていないと思うし、それができなければ今のJリーグで優勝することは難しいであろう。ただ、それと同時に相手によって、そして気温や天候によって戦い方を変えられるような器用さも身につけて欲しい。そして、戦力の向上に併せて、徐々にポゼッションサッカーを展開する機会を増やしていけばいいのだ。
だって、Jリーグで上位に食い込めばACLだし、それに優勝するとバルサやレアルみたいなとてつもなく強い相手と戦わなければならないんだよ。バルサやレアルに東京のポゼッションサッカーが通用するとは、とても考えられないわけで・・・。な~んて、まだそこまで考えるのは時期尚早ですな。
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