« 最終節を前に | トップページ | スズタツ残留 »

2008年12月 4日 (木)

塾不要論2

高度1万メートルで偶然に出会ったスッチーさんと新宿でビールを飲み、店を出る際、冗談で「俺は今回JALのお客さんだったのだから、接待(ご馳走)してくれよ」と言ったら、「お金がないから駄目」と言われた。接待は冗談にしても、「年収800万円ももらっていて、なぜお金がないのか?」と尋ねたら、「娘の教育費が嵩んで大変なの」と言う。確かに彼女の娘は、来年大学受験を控えている。そして、現在、娘の塾の費用だけで月15万円を遣っていると言うのだ。15万円????。あり得ないだろ。そして、「娘の受験が終わったら、ゆっくりと飲みに行こう」という。はぁ?おめーが受験するわけじゃないだろ?

ちょっと前の日経新聞に、青山学院大の教授が、「中学受験ブームに警鐘」という記事を掲載していた。その先生がベネッセと協力して行った調査によると、東京都の場合、中学受験率が36.9%に達しているようだ。また、受験中学選びの基準が、なかなか興味深い。大きく分けると「授業レベルや進学実績の高さ」「学校不適応懸念の少なさ」「勉強面以外の充実」「制服センスや世間の評判」「地元の公立にはない教育」に区分されるという。今の親の多くが“進学”というものにしか目がいっておらず、子どもが伸び伸びとしか環境で成長することを望む声が聞かれない。また、「制服センスや世間の評判」からもわかるように、子どもをブランド商品化している以外の何ものでもない。

そして、東京都の小学6年生で、週5回以上通塾している子の割合は43.3%、1日に3時間以上塾で授業を受けている子どもの割合は77.2%に達し、難関校受験を中心に塾通いが過熱化しているとある。この状況だけでも異常さを感じざるを得ないのに、この教授は、「しかし、このことは塾への依存度の増大を意味しない。注目すべきは、むしろ家庭の役割が増大していることだ。塾への送迎やお弁当づくり、健康管理、頻繁な外出(保護者会、公開模試、学校見学、学校説明会など)といった肉体労働に加え、勉強面でも、直接教えることはもちろん、資料づくりやスケジュールの管理、採点、ノートの整理などの頭脳労働を行っている。」と書いている。親が子供の勉強に口を出すだけではなく、手までも出すようになってきているのだ。受験期になると、子供ばかりか親までもが忙しくなるのだ。なるほど、私の友人のスッチーが忙しいと言っていたのは、こういうことだったのかと思わず納得してしまった。

あほくさ。うちのかみさんが、子供の高校受験の願書を書こうとしていた姿が思い出されるが、とにかく、今の親は子供の教育や勉強に関わりすぎである。保護者会なんか年に1回やれば十分だろ。先生を囲む会までやっている。学校のことは、学校に任せればいいのだ。親が余計な口を挟むから、先生は生徒を殴れなくなってしまった(私は、先生がイライラの解消を目的に生徒を殴ることは暴力と考えているが、愛情から生徒を殴ることは暴力ではないと考えている)。そして、それが学級崩壊にもつながっているのだ。

学校を選ぶのは子供である。お受験(小中学校の受験)の場合、ほぼ例外なく親が子供の学校を選んでいるが、それは、子供が学校を選ぶ自由を奪っていることになるのではないだろうか。また、多くの親は、子供を塾へ行かすことで安心しているようだ。塾は、確かに勉強法や攻略法を教えてくれる。しかし、子供は、自分で行きたいと思う学校を自分自身で決め、その目的を達するために自分自身で勉強法を考え、自分自身で攻略法を考えるべきなのだ。現在、インターネットが普及し、様々な情報があふれているのだから、子供の力でできるはずである。親は、そのヒントだけを与えればいいのだ。どのような参考書が使いやすいか、どうすれば英単語を覚えやすいか、世界史の年号をどうやって覚えるか・・・・そういった自分自身の経験を子供に伝えてあげればいいではないか。そんなことまで塾に任せるから、子供との会話の時間がどんどんなくなるのだ。多くの親は、子供が自分自身で考え、自分自身で情報収集し、自分自身で実行する機会を奪ってしまっている。全てにおいて親が口を挟み、手を差しのべてしまているのだから、自分で考える力、自分で見つけようとする能力が養われるわけはないのだ。

こんな環境で育った子供の多くは、いくらいい大学をでても、社会に出てから使えない。最近の新入社員をみると、他人に対する依存性が高い奴が多いように思う。自分で創意工夫しながら、困難に打ち勝とうという姿勢を持った者が少ない。ちょっと苦しい目にあうと、すぐにあきらめてしまう。何でも口や手をはさむ親が増えてきていることが影響しているのではないだろうか。このままでは、本当に駄目人間ばかりになってしまう。

|

« 最終節を前に | トップページ | スズタツ残留 »

コメント

この記事へのコメントは終了しました。