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2008年7月31日 (木)

橋下 徹

我が家は日経新聞を購読しているが、かみさんと娘が「日経新聞は、記事がお堅くてつまらない」と言うので、SANKEI EXPRESSも購読している。現在、大阪府知事である橋下徹氏についての特集記事がシリーズで組まれており、毎日読んでいたのだが、今日の記事を見て、彼と私の教育に対する考えがあまりにも似ているのに驚いた。一緒にお酒を飲めば、かなり盛り上がるであろう。

彼は、私学助成の削除をめぐる論議で、公立にはない付加価値を求めて入学するのだからお金がかかって当然」と述べ、あっさりと私学助成の削除に踏み切った。「公立重視」という教育理念を持ち、自身の子ども達も公立に通わせている。

私は、全くその通りだと思う。できの悪い子を集め、そういった子を少しでも世の中に通じる人間へ育てているような私学であれば、いくら助成を受けていても納得できるが、できの良い子だけを集め、それで“一流大学に100人入学させました”とか言っても、何も偉くない。できの良い子だけが集まれば、それだけいい大学に行く子が増えるのは当然なのである。別に、一流大学に行かせるための教育を行っているから、一流大学への進学者が多いわけではないのだ。もし、そういった教育を行っているというのであれば、できの悪い子を集めて、その教育を行って欲しい。それで一流大学に100人行かせることができるのなら、私は認める。

また、私学の一部の小学校などは、芸能人枠というものがあるようだ(勿論、公に実施しているわけではない)。芸能に優れた子どもを入学させるのではなく、芸能人を親に持つ子供を有利に入学させているのだ。そのような枠が本当にあるのであれば、これは明らかに不正入試であり、完全なる差別である。そんな馬鹿なことをやっているのはS城学園くらいかと思ったら、あのA山学院までもやっているという。呆れて物が言えない。そんな不正まがいの入試をやっている学校に、なぜ行政が補助金を出さなければならないのか。

そして、K大学附属の幼稚舎は、親が金持ちでなければ入学できないようだ。これも、考えようによっては明らかに不正入試であり、完全なる差別である。そういった私学には、金のある奴だけが行けばいいのであって、なぜそんな学校に行政が補助金を出さなければならないのか・・・・。私はずっと疑問に思っていた。

弁護士時代の雑誌のインタビューで「弁護士でも、エスカレーター式で上がってきた人と公立でもまれた人とではえらく違う。私立一貫校の同質性の中で育つと、なかなか異質な人と接することはできにくいように思う。」と述べている。

私学にも様々なカラーがあり、これには異論がある方もいるかと思うが、一般的に私学に入る子どもは、一定水準以上の家庭環境で育った子どもである。ホームレス中学生が、私立に入ることは到底考えられない。一方、公立は、かなりの貧乏な家庭で育った子どももいるし、大金持ちの家庭に育った子どももいる。時には、知能が後れた子どももいるのだ。そういった家庭環境の違う者同士が仲良くやっていくのは、なかなか難しいことである。当然、不良もいるし、いじめや暴力も覚悟しなければならない。ねたみ、自慢、差別などが渦巻いている。しかし、様々なタイプの友達と付き合うことで、そして友達づきあいで悩んだり苦労することで、真の友達ができるし、友達づくりという点で多くを学ぶことができるのだ。それが、「もまれる」ということでもある。

彼は中学校時代、不良が多い公立校に入学している。東京から大阪へ移り住んだこともあり、標準語を話すことで随分いじめられたようだ。しかし、彼は自ら不良が集まるラグビー部に所属し、不良と仲良くなることで「自信」を勝ち取っていくのだ。

大阪の教育レベルが下がっていることについて「そんなもん学校じゃなくて自分が悪いんですよ。僕は学校で教わった勉強なんて1つもない。別に北野高校に行かなかったとしても、大学にも司法試験にも受かっていたと思う。」と述べている。

これって、ゆとり教育も同じではないだろうか。子どもの学力が低下したのは、ゆとり教育のせいではない。ゆとり教育に甘えてさぼった子ども達が悪いのだ。そして、最近の親の多くは、担任の良し悪しや、学校の教育方針や教育方法、設備などを気にするが、はっきりいってそんなの関係がない。学力の向上は、本人が自分の意志で勉強するかどうかなのだ。

金持ちレベルの中で教育を受ければ、金持ちレベルが基準になってしまう。子どもは、これからの長い人生において、どんな苦難な状況に陥るかわからないのだ。貧乏レベルを知らしめておくのも、親の義務であろう。せめて、スタート地点は貧乏レベルから始めてもいいではないか。なぜ、小学校から、子どもを金持ちレベルに置こうとするのか。私は、以前にもくどくどと書いているが、それは親の見栄以外の何ものでもないと思っている。「お宅のお子さんは、どちらの小学校に決まったの?」と聞かれたときに、「○○大学附属○○小学校です。」と答えたいだけなのだ。ブランド品と同じ。

橋下氏は、母子家庭に育ち、お金がなかったから私学へは行けなかった。しかし、自分の努力で大学へ進み、弁護士になり、そして今や大阪府知事である。多分、彼はかなり努力をしているが、それほど苦労をしたという印象を持っていないのだと思う。公立でもやれるという自信、いや、今は「公立だからこそやれた」と思っているだろうし、それが彼の美学になっている。

私も母子家庭で育ち、貧乏だったから私学へは行けなかった。北海道から東京に出てきて、言葉の違いから馬鹿にされたが、不良と仲良くなることでそれを乗り切った。成功の度合いは橋下氏の足下にも及ばないが、私も「公立だからこそやれた」と思っているし、「公立だから今の自分がある」と思っている。うちの2人の娘は高校一年と中学一年であるが、勿論2人とも公立である。そして、これから大学受験に向けて努力しなければならないのだろうが、どちらも友達が大勢いるし、毎日楽しそうにしている姿を見て、本当に公立で良かったと思っている。彼女たちが、「公立だからこそやれた」と思ってくれて、それを美学と思ってくれれば、この上ない幸せである。

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コメント

人非人橋下徹府知事の資格なし。
保育園児に悲しい想いをさせるな

投稿: 権太郎 | 2008年10月16日 (木) 17時37分

私も同意見です
娘は今度小学校五年生ですが、周りは公立一貫校の受験する人やら私立受けるから電車に乗って受験勉強の塾に行っていたり・・・
それが、すごいと思っている親が多い
小さい頃から様々な人に絡みあいながら生きる力を身に付け欲しい

投稿: しゅしゅ | 2009年3月11日 (水) 15時56分

学力の低下を全面的に子供の意思に押し付けるのは間違っています。
教育が子供の意思を育てます。
子供の意思に責任を転嫁するのは違います。

公立高校の教育の質の著しい低下が起こる昨今では、公立離れが起きるような現状も納得できる面はあると思います。
金持ちのぬるま湯で人生をスタートさせるのも違和感を覚えはしますが、人生経験として不良と交わるとこを善とすることもできないと思います。

現に北野高校は教育の良い学校です。
不良高校とは違います。

投稿: しゅあしゅあ | 2012年10月 7日 (日) 09時51分

しゅあしゅあさん。コメント有り難うございます。極端な言い方をすれば、私は子供の教育について学校に多くの期待を寄せておりません。子供の意思の育成に大きな影響を与えるのは、教育よりも親の方が大きいと考えています。そこにしゅあしゅあさんと大きな違いがあると思います。不良と交わることも私は必要悪と考えています。色々な考え方があって面白いです。

投稿: GoMa | 2012年10月10日 (水) 17時51分

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