秋葉原の惨劇
東京ダービーの後、ヤクルト戦の観戦も有りかなと思ったが、結局祝勝会をやろうということになり、神宮の近くの中華料理屋に入った。ビールを注文し、いざ乾杯の段になったところで、放映されていたTVを通して秋葉原の惨劇を知る。とても乾杯できる気分ではなくなり、思いっきり意気消沈。それにしても、全く関係のない人達を、無差別に7人も殺してしまうとは・・・・・。
もともと人間は暴力的な生き物である。それは、人間の歴史が戦争のくり返しであることからも間違いないと言える。ライオンは、自分が生きるために草食動物を殺すが、同じライオンと喧嘩はしても殺すことはまず無い。そのように、遺伝子がプログラムされているのであろう。他の動物を見ても、同じ種類の動物同士で殺し合うことは、まず無い(猿はあるらしいが・・・)。そんなアホな生き物は、人間だけなのである。人間は、知性が高い故に遺伝子のプログラムが破壊されており、人間同士で殺し合ってしまうのだ。ひどいケースとしては、親が自ら生んだ子どもを殺すのである。元気な子どもを殺すのは、さすがに人間だけであろう。とにかく、生物学的にもあり得ない生き物なのである。そうなると、モラルに対する意識を高めるしかないのだ。
殺人がおきると、警察は動機の有無を考える。要は、恨み、憎しみのエネルギーが殺人を引き起こすということである。しかし、無差別殺人は、相手に対する恨みや憎しみは0である。自分や世の中に対する恨みや憎しみが、他の人に向けられるのだ(ほとんどの場合は自分自身に向けられて、自殺という形になる)。
秋葉原の惨劇の犯人は、確かにお宅っぽいが、真面目そうな青年である。暴力的か穏やかかといえば、穏やかそうに見える。なぜ、そのような青年が、あのような猟奇的な行動をとるに及んだのだろうか。
彼は、青森県では、県内有数の進学校に通っていたらしい。そして、母親は、かなり教育熱心だったとのことである。どちらかといえば、恵まれた環境に育った青年のようにも思える。ただ、高校時代の成績は、かなり下位の方であったと報道されていた。思うに、母親が無理矢理勉強させ、無理矢理一流高校に入れたのではないだろうか。素直な子どもは親の言いなりになり、それなりに勉強する。そして、いい高校に入る。ただ、こういった素直な子が成長と共に自我に目覚め、「自分は、親に勉強をさせられている」と気づいたときが、非常に危険なのである。また、親が引いたレールを歩んできた子の多くは、破綻したときに非常に脆い。彼は、思うように仕事ができない、仕事がクビになりそう、相談相手がいない(友人はネット上にしか居ない)といった状況があったようであり、ほとんど破綻に近い状況になっていたように思う。
中学生までの子どもに言ってはいけない言葉。「勉強しなさい」「勉強しないと、お父さんみたいになってしまうよ」「お前は、お父さんと同じ○○大学に入りなさい」・・・・・・。これらのことを言われても、全くモチベーションが上がらない。
自分は、「お前は俺より明らかに成績ががいいのだから、○○大学を狙うだけの資質を備えているぞ」「(勉強方法を具体的に示しながら)こういう勉強の仕方をすれば、更にやる気が出るのではないか」「まずは、地元の中学に行って、沢山の友達を作れ。そして、友達と相談しながら自分が行きたいと思う高校を見つけ出しなさい」などと述べている。これらの言葉の方が、子どものモチベーションが高まると思うけど、いかがであろうか。そして、自分の意思で勉強し、自分の意思で高校を選択し、自分の意思で生きる方向を見つけられるように育てているつもりである(前にも書いているが、とにかくお受験は大嫌いである)。こうして育った子は、大人になって破綻の状況に追い込まれても、自分自身で解決策を見つけられるし、力強く生きていけると思うのだが・・・。
犯人は、年齢的には十分に成人しているし、親には責任はない。もっと劣悪な環境なのに、力強く育っている子どもも沢山いるであろう。そして、様々な要因が重なり合って、今回の猟奇的な行動に至ったのであろう。ただ、私には「教育熱心な母親」が、どういう子育てをしてきたのか気になってならない。「教育熱心」というのは親の子に対する愛情でもあるし、子どもに勉学を強いる気持ちも分かるが、こころの成長を無視した子育てをしていたのではないだろうか。
こころの成長がないまま大人になると、非常に危険である。友達が多ければ、友達付き合いを通してこころの成長を遂げることができるが、子どもの頃に勉強だけを強いられ、友達が少ないまま大人になり、大人になってからも友達が少ないと、非常に危険な人間が形成されるのではないだろうか。もちろん、それがすぐに自殺や殺人などの行為に結びつくわけではないが、要因の1つには十分になりうると思う。
金儲け手技の進学塾などは、少しでも早い時期から子どもを塾へ行かせるべきであるとあおり立てているが、それに流されて焦ってはいけない。世の中、勉強だけでは人間形成されないのだ。いい大学を出ても、自殺したり人を殺すような子どもが出来上がってしまったら、元も子もないのだ。こころの成長があり、その上に積み上げらていくのが勉学なのである。とにかく、じっくりと子どものこころの成長に目を向けられる親が、少しでも増えてくれればと思う。そして、二度とこのような惨劇が起こらないようにしてほしい。
本当に残念でならない。秋葉原で犠牲になられた方々には、心よりお悔やみ申し上げます。
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