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2006年5月 1日 (月)

病棟にて3

3日目くらいに、4人部屋のベッドが空いたので、そちらへの移動となる。隣の爺さんさえ我慢すれば快適だったのに・・・と思いつつ、がらがらとベッドごと移動させられた。隣にはまたまた爺さん。咳がひどく、どうも肺を患っているようだ。反対側には高校生くらいの青年。サッカー好きならいいな。かみさんが、ワールドカップ特集の雑誌を買ってきた。俺は代表には興味がない。Jリーグものを買ってきてくれなきゃ・・・と思いながらも、まあこれは我が儘かとあきらめる。青年に、「君はサッカーが好きかい?」と訊くと、「はい」の返事。おお、さすがさすが。やはり時代はサッカーだ。もはや米国の圧力ではじめた野球は幕を閉じようとしているのだ。がっはっは。「この本読む?」と代表本を差し出す。「ありがとうございます」。なかなか感じのいい青年だ。しかし、非常におとなしく、そこから話がつながらない。話しかけても返事だけ。まあ、いいや。でも、その若さで外科に入院とは、やばい病気じゃないだろうなと心配になる。結局、彼は3日ほどで退院していった。高校でサッカーをやっていて、プレイ中に胸を強打したらしい。おお、俺と同類であったか。

隣の爺さんは咳がひどい。そして、化学療法の副作用からか全く食事を受け付けないようだ。こちらは毎食完食。となりの爺さんは毎食絶食。かれこれ3日も何も食べてないんじゃないかな。これじゃ体が弱っちゃうだろ。でも、医師は「徐々に食欲が回復しますからね」というだけで、一向に手を打とうとしない。こんな時こそエンシュア・リキッド(缶に入った流動食)じゃん。または、カロローメイトの液体タイプを薦めるとかすればいいのに。ナースも何もアドバイスをしない。ちょっと余計なことかと思ったが、お近づきの印に「ヴイダーインセリー」のカロリータイプを薦めてみる。奥さんがさっそく売店で購入してきた。隣の爺さん、それをずるずると飲む。「これなら何とか口に入る」。よかった、よかった。そこで自分は調子に乗ってしまい、ナースに進言。「隣の爺さん、あのままじゃ可哀想だよ。食事にエンシュアでも付けてあげたら?」。「そうですね。先生に聞いてみます。」ただ、その日の夕飯にエンシュアは付いていなかった。今、発注しているらしい。ちょっと待て。脳外科や消化器外科なら絶対ストックしてるだろ。なぜそれを借りてこれないんだ・・・。やはり大学病院は恐ろしいまでの縦割りらしい。結局爺さんの食事にエンシュアもどきの流動食が付いたのは2日後の夕食だった。何か変。

術後3日目の夜に、T先生が診察に来た。「ドレーンチューブを抜きます」。そんなものがささっていたのか。「痛いですか?」「いや、痛くないですよ」。一安心。包帯をはずし、先生がピンセットでチューブをつまむ。そこで、なぜか先生の顔が青ざめる。「抜けない」。はぁ?軽く引くだけで抜けるはずなのに、抜けない。さあ、大変。どうも、縫合の際にドレーンチューブに糸がかかってしまったようだ。さほど重大なことではないと思っていたのだが、そこで先生の一言。「申し訳ありません。整形外科医が一生で一度やるかどうかのミスです。再手術で、縫合した糸をほどかなければなりません。」まじ?そして、またまた夜にオペ室を空けてもらい、緊急手術。今回は局麻。ちょっと痛い。でも、15分ほどで、チューブが抜けた。良かった良かった。そのまま車椅子で病棟に戻り、就寝。傷口を開いたけど、その後、特に痛みは出なかった。教授の総回診で、教授にも謝られた。まあ、大した痛くなかったし、そんなに謝らなくてもいいのに。T先生は、始末書を書かされたらしい。こちらはOKOK.骨折した夜に緊急でオペをやってくれたんだから、そんなの鼻くそですよ。俺って太っ腹でしょ。

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